介護施設への入所、いつからどう準備するか。
介護が必要かどうか、また介護施設へ入所すべきかどうかを判断をするきっかけは、ケースによって様々でしょうが、やはり当人が自発的に決断するケースは少なく、周囲で観察している家族がある段階にきて、何らかの異変を察知するところから始まります。
たとえば高齢の親の場合においては、やはり日頃から様子をよく観察し、普段と違う常軌を逸した行動や不可解な行動した場合など、その時の記録をとるようにしておきます。
その回数が増えてきたり、行動が目に余るような状況となってきた場合には、地元の市町村窓口において、もよりの保健センターや地域包括支援センターを確認し、今後の対応について相談してみるのがよいでしょう。
まず医師に見せる必要があるとなった場合は、適切な精神科や神経科も紹介してもらえるでしょう。
その診断や治療と並行して、先々を考えた場合の同居は可能か、あるいは介護施設入居、高齢者住宅や有料老人ホームへの住み替えをはかったほうがよいかなどについて、検討していくことになります。
たとえば独力でトイレにいけなくなるような状況になったときなどは、遠距離介護で対応を続けるのはもはや無理、と考えるべきでしょう。介護施設への入居を考える必要がでてきます。
介護施設への入居を考える場合には、「当人が現時点でどのような介護状態なのか」ということを、要介護認定を受け決定してもらう必要があります。
自分の個人的な観察で要介護度を勝手に判断して話を進めるのではなく、ケアマネージャーや社会福祉士、治療を行っている医師など複数の専門家と相談しながら、進めていくことが大切です。
そしてできるだけ早く、介護保険における「要介護・要支援認定申請」を行い、認定を受けておくのがよいでしょう。
もし現在、親のそばに住んでいないということでいわゆる「遠距離介護」の状態が想定される場合、自分の住んでいる家に親を呼び寄せようとするケースは、現実にもよく見られるところです(「遠距離介護」、介護施設選びで気をつけたいポイント。をご参照ください)。
しかしながら、それが親にとって本当によい選択なのかは、よく考えてみる必要があります。
今の親の世代では、核家族化が進んだ現代においても「先祖代々の家を守る」という意識の高い方もおられますし、また住み慣れた友人・知人のいる土地をどうしても離れたくない、という方も非常に多く見られるところです。
”高齢者の一週間は若い人の一日に相当する”というぐらい、年をとってくると、生活における時間の流れや刺激の受容のキャパシティも、周囲の感覚とは大きく異なってきます。
ですので介護について考える場合、自分の感覚をそのまま対象者に当てはめ、当人の意向を先回りして考えていくようなやり方は、極力避けるべきでしょう。
ある時からいきなり家族以外には友人知人もいない、全く見知らぬ土地の異なる環境下に置かれた場合、高齢者にとってそれが大変な負担となることは想像に難くなく、認知症などの方は症状が悪化するなど逆効果となることすら考えられます。
まして、当人が強くいやがっているような場合は、なおさらです。
したがって、「自分たちと一緒に暮らせば親も喜ぶだろう」と勝手に解釈し、話を早急に進めるようなことだけは避けるべきでしょう。
仮に家族と離れたままにせよ、住みなれた地元で親が生活を続ける前提でベストな選択は何か、という視点から考えていったほうがよい場合もあります。
このような場合においても、やはりケアマネジャーや社会福祉士ら、さまざまな事例を取り扱ってきている専門家に相談してみることをおすすめします。
またこのような場合に備え、親の住む地域の地域包括支援センターなどに日頃から相談し、社会福祉士や主任ケアマネジャーらと顔見知りになっておくことで普段から地元の情報などを仕入れておくようにすることは、後々の役に立つことでしょう。
家族の介護の問題は、予見しないかたちである日突然現れることが、珍しくないものです。
そのようなときになってあわてて介護施設を探しても、施設の側で受け入れ体制ができていないため断わられることも多いですし、なによりも検討期間が短いため、本人に合った施設を探せない可能性も高くなります。
日頃から地域包括センターの無料相談も活用し、きたる将来の介護問題を意識しながら介護施設
関連の情報を入手したり、相談を続けながら人的関係をつくっておくことで、いざという時に適切な判断基準のもとで行動するための下準備にもなるはずです。
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