民間の介護保険・介護ローンと介護費用。


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介護施設在宅介護を問わず、いずれにしても「介護」にはお金がかかります。


ある調査によれば、在宅介護の月あたりの平均費用は、介護保険の自己負担額と医療費・交通費・食事代・オムツ代などを含め4~5万円前後となっています。

要介護度5の場合、利用できる介護サービスの給付限度額が上がるぶん自己負担額も大きくなるため、月あたりの平均費用も少なくとも7~8万円は見込んでおくべきです。


また特に要介護度があがった場合介護保険の適用外のサービス、あるいは介護保険の限度額を超過したサービス利用等もある程度は必ず発生してしまうので、その費用も計算に入れておく必要があります。

あくまでも仮定ですが、要介護度5の状態が5年間続いた場合、単純計算でも約400~500万円弱が、その間負担すべき介護費用として見込まれることになります。

介護施設への入所の場合、通常はさらに月額で10万円程度上乗せされますし、かりに介護施設への入所に遠距離介護を組み合わせて対応する場合は、介護割引を利用した場合でも、5年間で数百万円がさらに上乗せされることになります。(「遠距離介護」、避けては通れない交通費問題と、その対策。ご参照)


したがって、公的介護保険一本でなく、介護にかかわる公的支援策があるなら利用できるものは申請して利用するべきですし(介護施設・介護サービス、利用時の負担軽減策を知っておく。ご参照)、民間の商品を組み合わせて介護費用を手当する方法を、必要に応じ早めに検討しておきたいものです。

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いくつかの民間の介護専用商品について、以下にその輪郭をご紹介します。

1. 民間の介護保険商品

民間の大手生命保険会社・損害保険会社においては、その保険会社が定める独自の認定基準による「要介護状態」となったときに、一時金や年金のかたちで給付金が受けられる介護保険商品を販売しています。

介護保険はサービスそのものが提供される「現物給付型」ですが、民間の介護保険商品は現金を給付金として受け取る「現金給付型」です。

要介護状態となって給付金の受け取りがはじまった後は、年金商品の場合はその状況が続くかぎり受け取れますし(一部、特約を更新するスタイルの商品も有)、その間の保険料の支払いもありません。

民間介護商品の利用には、「要介護状態になった後の、収入補償」的なメリットも見いだせるわけですね。

複数の国内系・外資系の保険会社が介護保険商品を用意しており、またその商品内容もさまざまですので、資料を取り寄せて比較検討したいものです。


民間の介護保険商品の選択における、一般的な注意点をあげておきます:

保険会社が定める「要介護状態」の認定基準がさまざまであり、また公的介護保険の要介護認定と必ずしも同一とは限らないので、必ず確認する必要がある

・加入済の生命保険等がある場合は、保障内容が重複した「介護特約」をすでに付加していないか、あらかじめチェックしておく

一般に保険料が高く設定されていることが多いので、保険に回さずにそのぶんを貯金で対応したほうがよいケースもある。費用対効果をよく考えること

・実際に給付がはじまるまで「待機期間(待機日数は保険商品によって異なる)」が設けられ、すぐに給付が受け取れない場合がある

・いざ保険の請求をするときに本人が要介護状態となっている場合は、代理人からの請求とならざるを得ないが、そのための法的な要件をあらかじめ満たしておく必要がある


2. 民間の介護ローン商品

地方銀行などでは、介護が必要な高齢者のいる家庭向けに、優遇金利による資金の貸し付けを行っています。

貸付条件・商品内容は金融機関によっても異なるので(また支店地域によっては、介護ローンの取扱を行っていないところもあるようです)、個別に照会してみましょう(下記に参考リンクを掲載)。

 常陽銀行 常陽医療介護ローン
 福祉ローン(ろうきん 中央労働金庫)

介護ローンは、介護する側に安定収入がない場合、あるいは介護する側もすでに高齢である場合などは一般に利用そのものが難しくなりますし、また長期間での返済計画も立てにくくなります。

どのタイミングで介護ローンを利用するのがよいのか、長期的視点で検討する必要があります。


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