居宅サービス(3)〔通所・通院+その他〕。
(B)外部施設に通ったり、一定期間入所したりするもの
●「通所介護(デイサービス)」
●「通所リハビリテーション(デイケア)」
施設(特養やデイサービスセンター等)に通うことで社会的孤立感を解消し、心身機能の維持・向上を図るとともに、利用中は家族も介護から解放されるため、介護する側の身体的・精神的負担の軽減を図る狙いもあります。
日帰り利用のサービスとして、入浴・食事など日常生活上の世話、機能訓練やレクリエーションを、通常一日6~8時間程度、週に2~3日程度の間隔で行います。
「通所介護(デイサービス)」は、外出によって閉じこもりを防止し、社会的交流を図って社会性を促すことに主な狙いがあり、また「通所リハビリテーション(デイケア)」は、機能訓練を中心とした身体面の維持・改善を、主な狙いとしています(ただし最近は、両者のサービス内容の実質的な差はだんだん無くなる傾向にあるようです)。
なお近年は、通所介護事業所に低料金で宿泊する「お泊りデイ(サービス)」の問題もクローズアップされています(通所介護事業所と、「お泊りデイ」。)。
●「短期入所生活介護(ショートステイ)」
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム等)に短期間入居してもらい、入浴・排泄・食事など日常生活の世話や機能訓練を行います。
「ショートステイ」と呼ばれ、連続利用は30日が限度となります(30日を超えると、全額自己負担となります)。
●「短期入所療養介護(ショートステイ)」
介護老人保健施設や介護療養型医療施設(療養型病床)などに短期間入所してもらい、入浴・排泄・食事など、日常生活の世話や必要な医療、機能訓練を行います。
こちらも同じく「ショートステイ」と呼ばれますが、特に医療的な管理・措置が必要としてこれら医療系施設に入所する場合を指し、特養など福祉系の施設に入所する「短期入所生活介護(ショートステイ)」と、分類上区別しています。
「ショートステイ」も、上述の「デイサービス」と同じく、施設へ入所中は在宅介護にかかわる家族を解放し、彼らの肉体的・精神的負担を軽減するという、いわば「介護者のための介護」という側面を持ったサービスと捉えられえいます。
デイサービス・デイケア・ショートステイ~概要と現状
滞在中は基本的に施設入所者と代わらないサービスが受けられることから、特養に入所できない高齢者らが、代替的にこの「ショートステイ」を利用するケースも増えてきています。
全国的に人気が高まっていることから地方では「ショートステイ」専用の施設も登場していますが、ショートステイの施設はまだまだその絶対数が不足している状況です。
(C)その他
●「特定施設入居者生活介護」
有料老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス等)の「特定施設」に入居している方が、施設内での介護が必要になった場合、入浴・排泄・食事などの介護や日常生活上の世話、機能訓練及び療養上の世話を受けられるサービスです。ただし、厚生労働省令において定められた程度の治療が必要な場合に限ります。
「特定施設入居者生活介護」の介護報酬は、入居者の要介護度に応じて日額基準で単価設定されるため、運営者にとっては経営収入の安定化につながることがメリットです。
利用者としても、利用サービスの量や回数にかかわらず、費用負担が施設が算定する介護報酬額の1割に固定化されることで、安心してサービスを使えます。
特定施設の職員が介護サービスを行なう「通常型」以外に、特定施設が外部事業者と契約を結んでサービス提供する「外部サービス利用型」の場合もあります。
この場合は利用者側で、(施設側が契約した外部サービス事業者の利用に限定されますが)自分で必要なサービスを組み合わせて選ぶことができます。
●「福祉用具貸与」
「福祉用具貸与」とは、日常生活をする上で必要な、政令で定めた福祉用具の貸与(利用者にとってのレンタル)を行なうサービスです。
ちなみに自己負担1割でレンタルができる、介護保険の対象となる福祉用具とは、「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある人について、その生活上の便宜を図ったり、自立を助けるための機能訓練を行なうための用具」を指します。
●「特定福祉用具販売」
「特定福祉用具販売」とは、特殊ベッドなどの政令で定めた福祉用具(特定福祉用具)を購入するときに、かかった費用について一定額の支給(償還払い)を受けられるサービスです。
介護保険から購入費の給付を受け、自己負担を1割に抑えるには、特定福祉用具販売事業者の指定を受けた事業者から、福祉用具を購入する必要があります。
特定福祉用具販売は「介護保険の支給限度額の枠外での利用」となり、支給限度額の規制を受けない代わりに「1年間の購入限度額」が設定されています。
なお、購入限度額は1年間に10万円までとなっています。
特定福祉用具販売では、介護保険が使える対象用具かどうかなどで細かな条件が設定されており、また原則として1品目について一回限りしか利用できませんので、購入にあたってはケアマネジャーや福祉用具専門相談員のアドバイスをもらうのがよいでしょう。
福祉用具のレンタルについては姉妹サイトの記事「福祉用具・介護機器等のレンタル・販売と、福祉用具専門相談員。」を、また福祉用具の購入については「介護用品・機器 「福祉用具購入費」の支給について。」を、それぞれあわせてご参照ください。
●「住宅改修」
介護保険の利用者が生活しやすいよう、手すりの設置・段差の解消など一定の住宅改修を行った場合に、費用の一定額が支給(償還払い)されるサービスです。
「住宅改修費」も特定福祉用具販売と同じく「介護保険の支給限度額の枠外での利用」となり、支給限度額の規制を受けない代わりに「購入限度額」が設定されています。
「住宅改修費」は、市町村への事前申請を条件として、同一住宅を対象として上限20万円までの工事なら、自己負担1割(9割償還)で可能となります。
住宅改修については、姉妹サイトの記事「介護保険に係る、「住宅改修費」の支給について。」も、あわせてご参照ください。
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