介護施設で進む、介護職員の高齢化。


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介護施設の現場において、入居者と見間違うような高齢の介護職員が少しずつ増えてきていることをご存知でしょうか。

そもそも就職人口として若者の絶対数が少ない地方の介護施設においては、60~70代の施設職員も、いまや珍しい存在ではありません。


公益財団法人 介護労働安定センターが実施した介護労働実態調査(平成26年度)によると、調査対象となった全国の事業所で55~60歳未満の介護職員が占める割合は9.2%、60歳以上の介護職員が占める割合が12.3%との回答が得られています。

【PDF】平成26年度介護労働実態調査(介護労働安定センター)

勤務時間を短く設定しやすい訪問介護等ではホームヘルパーの高齢化は以前からそれなりに進んでいますが、介護施設においてもある種の「老々介護」状態が出現しつつあるわけです。

若い世代の介護施設への就職率の低さ・離職率の高さを背景とした、施設側の苦肉の策ではあるものの、結果的には入居者側にとっても一定のメリットが生じる話になりました。


何より入居者と世代が近く、その気持ちに寄り添えることから話題などもあわせやすく、入居者の立場にたったサービスを提供できる点は大きなメリットです。

スタッフ不足はどの介護施設も共通に抱える問題ですが、管理者や正社員はこなすべき事務処理も多いため分業体制にならざるを得ず、施設の全スタッフが入居者の個性に向き合うことは、現実には難しいものです。

ともすれば乾きがちな生活環境下で話を聞いてくれる同世代が傍にいるだけでも、入居者にとって大きな心のケアになることでしょう。


もちろん、デメリットもあります。高齢の介護職員は若い世代より体力面でどうしても劣ることから労働時間も長く設定できず、身体に負担をかける入浴介助や夜勤担当など、提供が難しいサービスも少なくありません。

これらを考え合わせれば、現場の中核的存在となることは難しくとも、サポート的な立場での高い貢献を期待したいところです。

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若手スタッフと高齢スタッフとのシフトをいかに上手に組むか、経営側にもノウハウの蓄積が求められるところです。

若い職員と高齢の職員が一定の比率で混ざって在籍している状態は、職場の人間関係や職務の分担がうまく機能しているからと評価することもできますね。

逆に高齢スタッフの割合が突出して高い施設は、若い世代の定着率に問題がある可能性もあります。


介護スタッフ不足は長期的に施設の経営が傾く要因にもなるため、入居者側は施設選びにあたっては、その将来的な倒産・閉鎖リスクも検討する必要があります。

まだごく一部にとどまるものの、EPA(経済連携協定)の一環として、すでにベトナム・フィリピン・インドネシアなどから来日した外国人介護士が、介護施設で働きはじめるようになっています。

資格の概要と、有資格者の現状(1)

労働力不足解消策としての政府方針を受け、この流れはさらに強まりながら、いずれ全国にも波及していくはずです。


そう遠くない将来、老若男女そして外国人から混成されたスタッフでサービスを提供する介護施設が、ごく当たり前の姿になっていくでしょう。

希望する施設の介護スタッフ構成は、家族の入居前調査では限界があるものの、できるだけ事前の情報収集を行っておきたいところです。

介護施設の入所、いつ・どう準備するか。

施設見学はもちろんのこと、経営者の考え方・スタッフ構成と平均在職日数・離職率従業員の平均年齢、地元の評判や利用者の家族からのヒアリングなど。これらについて疑問点があれば、施設側にも率直に質問してみましょう。

もっともこれらは自治体に届出をしている行政指導の対象施設について可能な話であって、記録書類の整備すら心もとない「無届け施設」では、こういったデータも充分に調べようがありません。

無届け有料老人ホームとは何か。その背景と問題点とは。

この点は無届け施設のリスクの一つとして、認識しておく必要がありそうです。


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