「ケア付の高齢者住宅」、新たな介護施設のかたち(2)。


高専賃のなかには、「適合型高専賃」と呼ばれ、一定以上の居室数にトイレや浴室など設備と運営において一定基準を満たしたグレードアップ版があります。


食事や介護サービスを提供すると有料老人ホームに該当するため、実質的には「許可制」ともいわれる厳しい内容の届出を地方自治体に行ったうえで、その監督下・制約下に置かれることになります。

しかしながら、「適合型高専賃」となった場合には有料老人ホームの届出が不要となるため、事業運営者にとっての経営自由度が増す、というメリットがあります。


さらに、「適合型高専賃」となった場合には、「(介護付)有料老人ホーム」「ケアハウス」と同様に介護保険法上の「特定施設」としての指定を受けることもできるようになり、入居者にとっても利用できるサービスの幅が広がります。


このようにメリットの多い「適合型高専賃」なのですが、前述のとおり、地方自治体が現在は「特定施設」の指定を実質行っていないため、「特定施設」である「適合型高専賃」の数自体はまだ非常に少なく、現状では「特定施設」の指定を受けない「適合型高専賃」が主流となっています。
 

「特定施設」の指定を受けていないことで、施設として介護保険が利用できなくはなるものの、運営側の自由度が拡がる分、利用者ニーズを汲み取った柔軟なサービス提供ができるメリットを謳い文句にする事業者が多いようです。


介護事業者サイドにとっても、ただでさえ厳しい事業環境下、介護保険からの報酬だけで経営の安定を今後ともはかっていくことは非常に厳しい状況となっています。


さらに今後は、介護報酬の自己負担割合が増加していくと予想されることから、利用者が今まで利用していたサービスを止めたり、利用回数を控えるなどの動きも想定されています。


したがって、介護保険からの報酬だけに頼っているだけでは経営面で苦しくなるため、介護保険事業を行いつつも、このような介護保険の外にある「高専賃」を舞台として、関連する住宅サービスを組み合わせながら利用者の囲い込みを行うと同時に、経営を安定化させようと考える事業者が増えてくるであろう、と言われています。

 

また、2007年には医療法人による高専賃の直接経営も解禁され、今後は十分な医療・介護体制を整えた医療法人による高専賃の運営が増えてくるものと、予想されています。

 

しかしながら、高専賃は、まだ全国で800施設程度とその絶対数も少なく、また部屋の大きさも料金体系も入居者のタイプも、千差万別となっているのが現状です。

一般的に介護度が重くなるにつれて対応が不十分になりがち、との指摘もあります。


加えて、高専賃については、居室の広さ・設備・運営などについて一定の要件を備えたならば、自治体に有料老人ホームの届出をする必要がないことから、現状ではその規制逃れを目的に、意図的に自ら「高専賃」と称し、不十分なサービス体制のままに運営する施設もあるようでまさに玉石混交の状況、との警告がなされています。


したがって、施設の事前見学はもとより、登録情報などにも必ず目を通し、入居前の十分な調査と検討を行うことが大切です。


なお、この高専賃については、「財団法人 高齢者住宅財団」のホームページ内の「高齢者専用賃貸住宅 登録情報検索」で、全国の登録物件の状況などを調べることができます。


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